
11月12日公開の映画「シェアハウス」への出演など、女優としてはもちろん、バラエテ番組でも独特の存在感で活躍中の浅田美代子さん。現在は3匹の犬とともに生活しています。愛犬に向ける、やわらかでいとおしそうな眼差し―。犬と一緒の浅田さんは、映画やテレビとはまた違った表情を見せてくれました。
─―今回、浅田さんと一緒に登場してくれた愛犬を紹介してください。
黒いほうが「ダイア」で、5歳のシーズーの女のコ。知り合いのブリーダーさんから今年5月に引き取りました。もう1匹の「アヴィ」は雑種の女のコで推定7歳。2年半ほど前に捨てられて収容施設にいるときに動物愛護団体に助けられたんですね。たまたまウェブをチェックしていたらアヴィちゃんが紹介されていて、引き取ることに決めたんです。
─―犬は全部で3匹飼っていらっしゃるんですよね。
もう1匹、「桃太郎」というシーズーがいます。19歳で心臓が悪いし足も弱ってきているので、今日は家でお留守番をしています。
─―犬とのおつきあいは子ども時代からだそうですね。
当時は外飼いで、最初は秋田犬、次に柴犬がいて、そのあとシーズーになったんですよね。1代目のシーズーは21歳まで生きたんですよ。2代目が桃太郎と柑太郎の兄弟で、柑太郎は16歳8か月で亡くなりましたが、桃太郎は12月の20歳を目指して頑張っています。今では、犬のいない生活は考えられませんね。
─―ロケなど、泊まりの仕事のときはどうしているのですか?
仕事で家を空けるときは、弟夫婦にあずけています。そうしているうちに弟夫婦も犬が手放せなくなって、シーズーを飼うようになりました。ペットホテルにあずけるよりは安心ですし、ひとり暮らしで犬を飼う場合は、そういう環境を整えておくことも必要だと思います。
─―それぞれの性格を教えてください。
桃太郎はもうおじいちゃんなんですが、まさに頑固じじい。「ワン! ごはん!」とか「ワン! トイレ!」みたいな感じで私は「ハイハイ」って使われています(笑)。年をとって腎臓も悪くなってきているので、食事も手作りの離乳食のようなものをスプーンで食べさせてあげるんです。たしかに大変ですけれど、年老いたら老いたなりの可愛さがあって、なんともいえませんね。
アヴィちゃんは最初は人間不信で、ゲージから出てこないし、触らせてもくれなかった。でも、徐々に「ちょっとシッポが立ってきたな」とか「シッポを振りだした」「玄関に迎えにきてくれた」といった具合に心を開いてくれて……。子犬の頃から飼っているのとはまた違った感動でしたね。しつけも大変だろうなって覚悟していたら、意外といいコで早く覚えました。捨てられたコは、助けてもらったっていうのがわかっているんじゃないかって気がするんですね。顔つきもおだやかになりました。それと、毛の色も変わってきたんです。以前はもっとこげ茶だったのが、今ではふわ〜として白っぽくなって。これも初めての経験でしたね。
ダイアはアメリカから来たらしいです。黒いシーズーって珍しいんですね。知り合いのブリーダーさんのところにいたんですが、お産には向いていないようなので引き取りました。それまで外に出る機会が少なかったために散歩でトイレができなくて、そのしつけが大変だったかな。アヴィちゃんよりも体は大きいんですがおとなしい性格で、先輩のアヴィちゃんに「ワン!」て吠えられると「ハイ、わかりました」って様子で従うので(笑)、喧嘩をすることもありません。
─―保護犬だったアヴィちゃんを引き取ったり、動物愛護や保護のために活動されていますが、そのきっかけは?
犬だけでも年間7万頭が殺処分されているというのを聞いて、いろいろ調べてみたら、あまりにもひどい現状に驚きました。それを知って、微力ながら何かできれば、と思っていたんです。
最初は保護犬であるアヴィちゃんをこんな風に紹介していいのか迷いました。 「捨ててもそうやって引き取ってもらえるんだ」って、捨てる言い訳になってしまうんじゃないかと。そこで、動物愛護団体の方に相談したら、「それよりも、こういうコがいるってことを多くの人にわかってもらいたいから、ぜひ出してください」と言われて。アクセサリー感覚でペットを飼って飽きたら捨てる、病気になったから、年をとったからって捨てるのはひどすぎる。まず、命の大切さを伝えなくてはと思います。
─―今年2月にはデモも行ったとか。
動物愛護管理法の改正を求めて渋谷でデモをしました。50人くらいしか集まらないんじゃないかと思ったんですけれど、500人ほどが来てくれましたね。そのほかにもトークショーなど、時間があるかぎりボランティアで行きます。声をあげてもらちがなかなかあかないのが現実ですが、とにかく一歩ずつでも前に進んでいかなければという気持ちです。
欧米では、収容施設から犬を引き取って飼うのが一般的です。日本でもペットショップやブリーダーから買うという選択肢だけでなく、収容施設にいる犬を家族として迎えるということが普通に行われるようになってほしいですね。
─―犬にとても助けられたそうですが?
一緒に住んでいた母が亡くなったときに助けてくれたのが犬たちなんです。どんなに悲しくても、犬たちの面倒をみないといけないから、泣き暮らしてばかりはいられない。とりあえずごはんをあげて、1日2回、散歩に行くわけですね。本当は外になんか一歩も出たくないと思いつつも散歩に行く。それが続くうちに「あ、桜のつぼみがふくらんで、春になってきたんだな」と季節を感じるようになったり。そんなことが積み重なっていって私は立ち直れたし、救われたんです。犬がいなかったら引きこもりになっていたかもしれない。
そうやって人間も犬に支えられているんだから、せめてもの恩返しのつもりでアヴィちゃんを引き取ってみようかなって。それと、自分と犬の年齢もありました。桃太郎みたいに20年生きるとしたら、いま、子犬を飼っても自分が20年後まで生きていて看取ってあげられるかわからない。自分になにかあったときに引き取ってくれる人がいないかぎりは、やたらめったらには子犬は飼えないと思っています。
─―犬やペットを飼うときは、そこまでの覚悟が必要なんですね。
そうなんです。たとえば、私は大型犬も好きなんですよ。だけど、なぜ飼わないかっていうと、女のひとり暮らしで男手がないから、そのコがもし倒れたりしたときに抱いて病院に連れていけないでしょ。そうすると、自分が抱ける範囲でないとダメだなと。小型犬が可愛くて好きというだけじゃない。
─―最後に浅田さんにとって犬はどんな存在ですか?
縁あってうちのコになってくれた。よく言われることですが、私にとっては家族ですね。犬を支える半面、犬に支えてもらっている。かけがえのない存在です
【プロフィール】
浅田美代子 Asada Miyoko
1956年2月15日生まれ、東京都出身。1973年、ドラマ「時間ですよ」(TBS)のお手伝い役でデビュー。劇中歌「赤い風船」が大ヒットし、第15回日本レコード大賞新人賞を受賞。代表作に映画『釣りバカ日誌』シリーズがある。「さんまのSUPERからくりTV」(TBS)などのバラエティ番組でも活躍中。
◆BackNumber