
まず、アパートの大家さんとあなたの間には、賃貸借契約が結ばれているものと考えられます。基本的に契約者はこの賃貸借契約の内容に従う必要があります。しかし借地借家法第30条に「特別に賃借人(あなた)に不利な特約条項は無効とする」という内容の規定があります。
ここで、飼育禁止の特約が無効になるかということなのですが、現在の日本の法律、判例では、飼育禁止の条項はこれには違反しないという立場を取っています。従って、事前の契約書に飼育禁止の特約がついている以上、大家さんから退去の申し出があった場合には応じなければいけない可能性が高いでしょう。
Q1(カテゴリー「マンション・アパート」)にあるように飼育禁止の特約は有効ですので、いくら汚していない、傷をつけていないとしても、その責任を免れることは難しいと考えられます。対応としては、一代だけしか飼育しないこと、建物等を棄損しないこと、周囲に迷惑をかけないこと等を大家さんに誓約をして、個別の許可を取るというような方法を取ることが考えられます。
管理規約の変更には、区分所有者、及び議決権の4分の3以上の賛成を必要としています。また、少数者の権利保護のために、区分所有者法第31条1項には、「管理規約の改正が一部の区分所有者に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない」旨を定めています。
ここで、「動物の飼育禁止」がこの「特別の影響を及ぼすとき」に当てはまるかどうかが問題になります。現在の判例では、飼い主に厳しい判断が下されています。つまり、盲導犬等のように飼い主の日常生活に必要不可欠な意味合いを持つ等の事情がない限り、「特別の影響を及ぼすとき」には当たらないとされています。
飼い主が管理規約に従わない場合には、管理組合、またはマンションの他の区分所有者は、飼育を禁止するように求めることができ、またそれにも従わない場合には、集会で決議をすることによって飼育を禁止する訴訟を起こすことができます。
現在の判例では、仮に周囲に迷惑をかけていないような状態であったとしても、飼育を禁止するという、飼い主にとって厳しい判決が出ています。
賃貸借契約を終了する際には、借主は「原状回復」をしなければいけないとされていますが、完全に借りた状態に戻さないといけないという意味ではありません。借主が負担をする必要があるのは、「通常生活をしていれば起こりうる経年劣化を超えるような汚損に関する費用」です。
今回のケースでは、いくらペット飼育可とはいえ、「通常考えられる経年劣化」には該当しないと考えられますので、壁紙の張り替え等の費用は負担しないといけないでしょう。